返報性の原理: 人間の心を動かす、心理学的な操作の秘密

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今回はお願いや要望を受け入れてもらいやすくなる心理テクニック”返報性の原理”を紹介します。

  • 勇気を出して好きな子を食事に誘おう。でも絶対に断わられたくないな
  • 気になる子の連絡先を聞き出したいけど、うまく聞き出す方法はないだろうか?

このようにお願いをするときに、断られたらどうしようと嫌なイメージをしてしまって一歩踏み出せないということはありませんか?

そこで今回紹介する返報性の原理が役に立ちます。
具体的には活用すれば「いいよ」と言ってもらえる可能性が上がります。

返報性の原理は44種類の翻訳版が出され、世界中で読まれているベストセラー「影響力の武器」に登場する心理効果の1つです。

有名な心理効果ではありますが、効果が高く販売や勧誘などの説得を必要とする場面で広く使われています。

人を説得する方法なので当然恋愛にも使えます。

断られるのがイヤだ
絶対に成功させたいんだ

こういうときの助けになるので本文を読み進めてその技法を身に着けましょう!

目次

返報性の原理とは、何かをしてもらったらお返ししなければならないという心理のこと

誰かに何かをやってもらうと、「どこかでお返ししなくちゃ」と感じますよね?

これが返報性の原理です。
報恩の義務とも呼ばれます。

僕たち人間は人に親切な行為をされると、
借りを作ったままだと気持ち悪い、どこかで返さなきゃという気分になります。

例えば、友達に奢ってもらった時のことを思い出してください。

「次は俺が出すよ」と言ったり、言わなかったとしても内心で思っていたりしますよね。

この心理のことを社会心理学では返報性の原理という名前で定義し、人の本能にプログラムされた心理行動だとしています。

ではなぜこのような気分になったり、お返しをしなければならないと思うのか、つぎはそれを説明します。

返報性の原理は社会進歩に不可欠だった

なぜ僕たちは受けた恩義に報いなければならないという義務感をもってしまうのか、それはこの恩義の気持ちが社会を円滑に回し繁栄していくために必要だったからです。

例えばですが、あなたが何か親切をしたときのことを想像してみてください。

親切をした結果、その見返りが何もないとしたらどうでしょうか?

きっと今後親切をしようとは思わなくなるはず。

「いや、別に見返りを求めているわけじゃない」という場合もあるかもしれません。
ですが、本当に何も返って来ないんですよ。
物質的なものだけじゃなく、精神的なものも含めてです。

好意をもつこともなければ何もくれない。
このような状況だとわざわざ労力を割いて何かをしてあげようという気分にはならないですよね。
少なくとも僕はそうです。

つまり、もし恩義を感じることがなければ、様々な社会的活動が成り立たなくなるということです。

取引は”自分の資源を最初に与えることから始めなければなりません”。
恩義がない世界だとこの最初に与えるという行いを誰もやらなくなってしまいます。

だって見返りがなにも期待できないわけですからね。

しかし、取引なくして社会の成長はありえません。

人は自分だけで何でも解決できるわけではなく、また、できたとしても効率が悪いです。

狩りの準備、実行、獲物の運搬から調理まで全て1人で行うよりも、それぞれ得意な人にまかせて役割分担したほうが効率が良いのは明白です。

僕たちが日々行っている仕事もそうですよね?
細かく部署が分けられ、役割分担することで効率が上がってよりよい結果を出せています。
1人で1から全てを行うなんて想像するだけで大変です。

これも恩義の義務感があるから成り立つこと。

営業マンが注文を取ってくるのは、その後を他の人に任せられるという期待があるからです。
「仕事を取ってきてあげたから、他のことはよろしく!分前はくれるよね?」ということです。

もし、相手が分前をくれない恩知らずであれば営業マンは取ってきた仕事を相手に預けることなどせずに自分で最後まで処理するでしょう。

このように”誰かのために何かをすると見返りがある”ということを前提に社会は成り立っています。

返報性の原理が効果を発揮するのは、社会を進歩させる上で必要不可欠な要素で人間の本能に刻まれているからなのです。

返報性の原理を証明する驚くべき事例

返報性の効果を実感できる例として、メキシコとエチオピアとの間で交換された5000ドルの援助資金の話があります。

1985年にエチオピアは世界でもトップクラスの貧困に苦しんでいました。
食料は長期的な干ばつと内線で不足しており、国の経済は破綻し、何千もの民衆が病気と飢えで死に瀕していました。

エチオピアはこの終わりのような状況にも関わらず、5000ドルの援助資金をメキシコシティで起きた地震の被災者を支援するために送ったのです。

え?と思いませんか?

メキシコからボロボロのエチオピアにではなく、逆の方向へ援助資金が送られたのです。

このカラクリは返報性の原理が働いたからなんです。

このことに疑問をもったジャーナリストがエチオピア側に問い合わせた結果得た回答は驚くべきものでした。

エチオピアがあらゆる面で困窮していたにも関わらずメキシコに援助資金を送ったのは、1935年のイタリア侵攻の際、メキシコが援助してくれたお返しだったのです。

ビックリしますが、これが返報性の原理の効果なのです。

どれだけ困っている状況でも、過去に受けた恩義を忘れずにその恩に報いなければならないという義務感からは逃げられなかったようです。

返報性の原理を利用した誘導テクニック

では、いよいよ返報性の原理を使って恋愛を有利に進める方法をみてましょう。

”まず相手に与える”
単純ですが、これだけです。

例えば、同僚ならコーヒーなどちょっとした差し入れを渡したあとに食事に誘う。
ありきたりのようですが、効果はあります。

やっぱり何かをしてもらった後に頼み事を断るのって抵抗があるんですよね。

友達に文句を言おうと思ってたけど食事を奢ってくれたらちょっと文句言い辛くなりますよね?
今日はやめとこ、次の機会でいっかみたいに見送ってしまいます。

この心理効果を使ってデートに誘うのがおすすめの方法になります。

次にもう一つ、使いやすいテクニックを紹介します。

ドア・イン・ザ・フェイステクニック

ドア・イン・ザ・フェイス
別名、拒否したら譲歩法とも呼ばれるテクニックを紹介します。

その名のとおり、頼み事を拒否して相手が譲歩してきたらその譲歩に答えなければならないというものです。

使い方は簡単。

最初に大きな頼み事をして断られた後に、それよりも簡単な(本命)お願いごとをするんです。

例えば、「飲みに行こう」と誘って断られたあとに「じゃあランチはどう?」と前のお願いよりも相手が受け入れやすい簡単なお願いをします。

このときの相手の心情は、
「飲みに行くのを断ったあとだし、断りづらいな。ランチならまだいっか」
という感じです。

頼み事を簡単な譲歩してくれたから、その譲歩に報いなければならない。
返報性の原理がこのように働くわけです。

この方法のメリットは最初の大きな頼み事がOKされても断られてもこちらの得になるというところ。

さっきの例で言えば、最初に交渉した飲みの誘いがOKされたらラッキーです。
そして断られたとしても次のお願いへの強力な助けになってくれる。

これがドア・イン・ザ・フェイスです。

注意点として、最初のお願いが現実味がないほど大きいとまともな交渉相手として見てもらえなくなるということ。
相手にする価値がない不誠実な相手だと思われるってことですね。

「セックスしよう」と最初に言って「じゃあデートね」というのはあまりにも最初のお願いが大きいのでダメだということです。

この点に注意してドア・イン・ザ・フェイスを活用してください。

ドア・イン・ザ・フェイスについて詳しくは別の記事にまとめてあるので読んでみてください。

内部リンク

返報性の原理の影響力を最大限に引き出す方法

返報性の原理はそのまま使っても強力ですが、その効果をさらに上げる方法があります。

それは、”最初にわたす贈り物を受けてのニーズや好みにカスタマイズ”することです。

どうでもいい贈り物よりも、欲しかった物や必要としているものをピンポイントで受け取ったほうが嬉しいものです。
つまり、より大きな恩を感じることになります。

だから、相手に合わせてカスタマイズすることで返報性の原理の効果をより高めることができます。

特に欲していない時に貰う缶コーヒーより、コーヒー飲みたいなーと思っているときに貰う缶コーヒーの方が嬉しいってことです。

恋愛に応用すると、例えば同僚の子が仕事に追われているときに手助けしてあげると、ただ手伝うよりも効果が見込めます。
言い方は悪いですが弱みにつけ込むような感じです。

要は相手をよく観察し、その状況に応じてカスタマイズした贈り物をすることで返報性の原理の効果を高めることができるということです。

【まとめ】

返報性の原理は受け取った恩にはお返しをしなければならないという義務感のことでした。

この義務感があるからこそ、相手に先に何かを提供するという取引が成り立ち、人間社会が発展してきました。

つまり、返報性の原理は僕たちの本能に根付いたプログラムだと言えます。

そして、それをうまく使うことで好きな子をデートに誘うなどの恋愛シーンで有利に進めることができます。

代表的なのがドア・イン・ザ・フェイス(拒否したら譲歩法)
最初に大きなお願いごとをし、断られたらそれよりも小さな、しかし本命でもあるお願いをする。
相手はこちらがお願いを小さくするという譲歩に対して恩義を感じ、その恩に報いなければならないという義務感から2回目のお願いを受け入れやすい心理状態になります。

このように返報性の原理をうまく使えばあなたのお願いがOKされやすくなるのです。

すでに紹介してあるとおり、返報性の原理の使用はそこまで難しいものではありません。

ぜひ使ってデートの誘いをOKしてもらいましょう。

もし、返報性の原理についてもっと詳しく知りたい、この分野についてもっと知りたいというのであれば”影響力の武器/ロバート・チャルディーニ”(Amazonのリンク)という書籍がおすすめです。

この本には返報性の原理を含め、説得を成功させる重要な心理技術、その事例がたくさん書かれています。
大体3000円くらいの書籍なのですが、10倍の3万円で売っていても即買いするレベルの価値があるおすすめの書籍です。
あなたが読めばさらに説得の技術が向上することでしょう。

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